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■30日(夕方前)片貝小学校
二宮金次郎の石像がポキリと折れていた(右写真)。車から降りると、
中学生くらいの少女たちが「お疲れさまです」と声をかけてくれる。
一見、歓迎されているような……。
校舎の中から校長先生、教頭先生、女教師が出てくる。
「僕らボランティアで……」
「登録はしました?」
完全に怪しまれている。
「物資を持ってきたんですが」
「別にいらないよね?」
「見るだけでも見て下さい」
「何があるの? ああ、こういうのは全部届いてるのよ」
「では、何が必要ですか?」
「一番欲しいのは、お茶、牛乳。食事時に水ばっかりじゃねえ……あとは白いお米かな」
対応が心持ち冷たい気が。誰だか分からんボランティアに対して警戒されている感じか。
絆創膏少々と石鹸、コップや皿、タオル、Tシャツを少々渡して小学校を後にする。
「……当面の生活に必要な物は全部ある……」
僕らのやり方は間違ってるのだろうか。やはりきちんと登録をして、すべての物資を役場に預けるべきだったのだろうか。そしてきっちりと組織だった活動を行うべきなのだろうか。このような独断独行は無意味で迷惑なのだろうか。
とにかく次を回ってみよう。沈んだ空気が車中に淀む。ともすれば後悔へと変化しそうな気持ちを抑え込むかのように、イヌイは何が必要で何を荷下ろしたかをメモる。
▼片貝小学校サイト
▼雪が降るとこんな感じ
■30日(夕暮れ)片貝総合センター
雨が降り出す。
すぐ近所の片貝総合センターなる避難所へ行ってみる。とにかく避難所だらけである。
ここはこれまで行った箇所より数段恵まれているように見えた。炊き出しがある。そして極めつけに、自衛隊による風呂サービスがある。この地区の人々はここまで来て風呂に入るわけだ(写真3番目以下)。
「ここに来れば風呂があることを、さっきの中学生たちは知ってるのだろうか」
そんな疑問が湧いてくる。
ここを仕切ってるリーダーのオジサンを掴まえる。
「何があるの?」
説明する。
「うーん、別になあ……」というリーダーの脇で、もう一人が言う。
「もらっとけよ。もらっときなさい」
プライドかシステムか。現実との狭間で揺れ動いてるような、そんな会話に聞こえた。とりあえず、シャンプー類や諸々を置いていく。
去り際、どうしても気になって、直接に風呂場の自衛官を掴まえる。
「さっきリーダーさんにシャンプーとか渡したんですが、風呂の中に据え置く事とかできませんか」
「上の者に聞いてみます」
自衛官は上官を呼びに行く。出てきたのは二人。一人は女性自衛官だった。
「風呂が今日は女性の日だから大丈夫だとは思うんだけど、昨日は男性の日でね。男ってのは、タオル一丁で来るでしょ。こっちは石鹸も何も用意してないんでね」
というわけで、風呂の中に置く用のシャンプーやボディシャンプー(石鹸は台がないと置けない)を渡す。
さっきリーダーに渡した物資の方は、各個人に配ったりされると嬉しいなと思いつつ。
風呂の中がどうなっているのか、覗いてみたい衝動に駆られるが、女性風呂だったのでやめる。
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